「もー、ノッブはしたくないんですか?学校の屋上で制服でなんて、今のうちしかできないんですよー?教室の方から見える位置でドキドキしながらーとか、もっと色々挑戦しましょうよー」
教室棟へ向かう廊下を歩きながら、私はノッブの袖を引っ張ってごねてみた。
ノッブはその手を私の顔の前まで持ってきて、黙れ性欲大魔神、と強烈なデコピンをお見舞いしてくる。
「まったく、次から次におかしな性癖に目覚めおって。靴下残すのじゃって、着衣で交わってこそ人の交尾、とか訳わからんこと言うとったろ。普段どんなので抜いとるんじゃ貴様?」
涙目でおでこを抑える私の前で、眉を寄せ、腰に手を当てて、ノッブは仁王立ちに立ちふさがった。
色んな性癖に目覚めているのは、ノッブが割と何でも応じてくれるせいなんですが、と思いましたが、とりあえず、聞かれたことに答えようと、私は最近の夜のお供について思いを巡らす。
「うーん、二次元ロリモノが多いですかねぇ…。マンガとか、アニメとか…。三次元だとスク水のヤツが割と好きですねー。こう、ちょっとずつハサミを入れていくヤツが興奮するんですよ。あ、そういえば最近ノッブを大人っぽくした感じの人の動画を見つけたので、そっちにもお世話になってますね。私はもっとロリロリしてた方が好みなんで、ストライクゾーンからはだいぶ外れるんですけど、結構ハードなプレイのとかあって面白いですし、やっぱりモザイクがないっていうのは大きくて…」
「どん引きなんじゃが!?」
「あぁ、あとそれから、この間見つけた、アナウンサーさんが、えっちなことされながら、どこでなにがどうなってるっていうのを、放送禁止用語を大量に使って実況するっていうのが…」
「続けるんか、その話!?」
ツッコミながらノッブが私を生ゴミでも見るような目で見てくる。
そういう目をされるのが好きでない私が、ノッブが聞いたんじゃないですか、と不平を述べると、ノッブは、そこまで詳しく聞きとうなかったわ、とぐしゃぐしゃと自分の頭をかきむしった。
まぁ確かに、教室棟から遠く人気が少ないとはいえ、廊下の真ん中でするような話ではなかったかもしれないですが、自分から聞いておいて聞きたくなかったっていうのはヒドくありません?私がぷぅと頬を膨らませていると、ノッブはおでこに手を当てて、ため息混じりに口を開く。
「というか貴様、毎日毎日わしの身体を貪っといて家でもそんななんか?どんな身体しとるんじゃ?」
「だって昼間ノッブとしたこと思い出すとムラムラしますし?そういうの見たくなりません?」
「いや、わし、記憶力良いから?普通に思い出すだけで十分じゃし…」
「え?じゃあノッブって私で抜いてるんですか?」
言った瞬間ノッブが、しまった、という顔をした。
ほんの一瞬のことで、ノッブはコンマ2秒後には表情を呆れ顔に戻して、わしは昼間だけでお腹いっぱいじゃアホウ、とこともなげに言いましたが、沖田さんは見逃しませんでした。見逃しませんでしたとも。
もう予鈴が鳴るぞ、と歩き出すノッブの腕を捕まえて、ひょいと顔を覗き込む。
「いつの、どんなのを、思い出してるんですか?」
そう尋ねると、ノッブは目をカッと見開いて、それから悔しげに唇を尖らせて視線を逸らす。
あぁ、恥ずかしいんだなぁ、と私は思った。これは意地でも、何をおかずにどんな風にしているかを聞き出さなくては。
私はノッブを逃さないように、その小さな身体を抱きしめて、教えてくださいよ、と耳元で囁く。
すぐに振り払われるかな?と思ったのですが、意外にもノッブは大人しく抱かれたまま、初めてのときとか、と答えてくれたのです。
私は嬉しくなって、すぐさま、他には?どんな風にするんですか?と矢継ぎ早に質問する。
「……ぬぅ…、そうじゃのう、海行ったときのとか、初めてお前の家泊まったときのとか…」
「そぉなんですかぁ、へぇ~、で?どうやるんです?」
「どうって、別に、普通に触るだけじゃけど…」
電気は付けてるんですか?パジャマ脱いでします?脚は広げてするんですか?えっちな道具を使ったりは?あ、いや、その前にまず、アレ出す派ですか?引っ込める派ですか?
突っ込んで聞いてみたい質問が、山程頭の中に浮かんだ。そのまま口をついて出そうになるのをぐっと堪える。
正直、朝まででも問い詰めて、洗いざらい事細かに聞き出したいところですが、今は我慢。何故ならノッブが大人しく腕の中に収まってくれているから。
こういうときは、えっちな事をねだってもOKされやすいのです。
私は慎重に、誘い文句を選んで、ノッブにぶつけてみる。
「じゃあ今から、ノッブが思い出したくなるようなのしませんか?」
ノッブのほっぺを両手で包んで、にっこり微笑みかける。
言葉の意味するところは、学校で授業をサボって一発すんごいえっちをしよう、という下衆な要求ですが、こういうのは雰囲気で誤魔化せば通ったりするのです。
これはノッブに教わったことなので、たぶん間違ってはいないはず。自分で効果的と思わないことをわざわざ教えたりもしないでしょうから、万人に有効でなくても、ノッブには効くはずです。というかそうでなくては困ります。
私がじっと答えを待っていると、ノッブは、ふぅ、と諦めたようなため息をついて、軽く触れる程度のキスをくれる。
「ったく、是非もないヤツじゃのう。ホントに留年してもわしは知らんからな」
そう言うとノッブは、どうやらその気になってくれたようで、空き教室が密集している区画の、適当な教室まで私を引っ張っていった。
そこは社会科学習室なんていかにも使われてなさそうな名前で、やたらと分厚くて大きなテレビがある以外は、私たちが普段使っている教室と同じような作りになっていた。
授業の始まりを告げる予鈴が鳴ってしばらく経っているが、そこに人が来る気配はなし。窓の向こうは第2グラウンドで、覗かれる心配もなさそうです。
前に放課後の教室でしたときは、見つかりにくいように隅っこの方とか、教卓の中とかでしましたけど、この時間のこの場所なら、堂々と教室のど真ん中でしちゃってもいいかもしれません。
こういうことができるから、日中に授業をサボるのがやめられないんですよね。放課後はどこに人が潜んでるかわかったもんじゃありませんから。
まぁ私は、いろいろされて可愛くなっちゃってるノッブを見せつけたい気持ちもありますから、そういうのも興奮するんですけど。
私がどこでしようかと思案していると、ノッブはガラっと教室のドアを開け、つかつかと教卓の奥にある上部がガラス戸になったスチール製のキャビネットの前まで歩いていき、そこへしゃがんだ。下の引き戸をコンコンとノックして、数秒待ち、ガラリと引き戸を開ける。そしてまた立ち上がって、今度は掃除用具入れになっているロッカーの前に行き、同じことをした。
ちなみにどちらも中身は空。本一冊、箒一本もなし。
あぁ、なるほど、その中でしている人たちもいるんですね、と私は納得した。
そうですよね、やっぱり高校生だとえっちの場所って困りますものね。家でするのは家族がいないときでないとちょっと厳しいですし、ホテルはお財布に余裕がないと辛いですし、かといってその辺の物陰でしてると通報されちゃうこともありますものね。特にこのキャビネットは、私たちくらいの身長なら二人入っても余裕がありそうな大きさですし、ホテル代わりにちょうど良さそうです。学校にこういう場所があるのはホントありがたいですね。どうしてノッブはもっと早く教えてくれなかったんでしょうか。
「どうした、沖田、来んのか?」
私が一人でうんうんと頷いていると、ノッブが怪訝そうな顔で呼びかけてくる。
あ、はいはい、いきます、いただきます。
私はノッブに駆け寄って、腰に手を回し、軽く唇を重ねてから、お先にどうぞ、とキャビネットの中に入るよう促した。
「いや、どうせ誰も来んし、普通に机の上とかでええじゃろ?」
「ええ?じゃあなんで開けたんですか?」
「外で始めたら中に居るヤツが出ていけんじゃろ、配慮したまでじゃが?というかこの季節にキャビネの中でなんて、軽く地獄じゃぞ?」
「はぁ…。ノッブは何回くらいここで…?」
「ん?そうさのう、夏は一度で懲りたが、冬は覚えとらん。まぁ、何にせよ動き難いし、息苦しいしで、わしは好かんな」
「そういうことなら沖田さんとは7回しましょうね」
私はノッブを強引にキャビネットの中に押し込んだ。
毎度のことながら中々エロにたどり着きません。
というかノリがバカなせいで、エロに入ってもすぐに脱線しそうになるので、修正に苦戦してます。
やっぱりエロシーンは冒頭に持ってきた方がいいのかな?と思う半面、前提がないと萌えないかなとも思うので悩みます。
今回はちょろっとだけハイエナ要素出してますが、本格的にエロパートに入る前にこちらを頭に入れておいていただけるとありがたいです。
ハイエナ設定解説
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沖ノブ おバカ学パロ18禁百合小説3
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